おぴまろはまーたB級映画に騙されたんかい!

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映画『パニック・マーケット』感想 津波で押しよせるサメの恐怖!!

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【製作国】オーストラリア 【公開年】2012年 【上映時間】90分

【監督】キンブル・レンドール

【キャスト】
ゼイビア・サミュエル
シャー二・ヴィンソン
エイドリアン・パン
チー・ユーウー
アレックス・ラッセ
マーティン・サックス
アリス・パーキンソン
リンカーン・ルイス
ダミアン・カーヴェイ
ダン・ワイリー
ジュリアン・マクマホン
リチャード・ブランカティサーノ

パニックマーケット

見つけてしまった…久しぶりに良作を見つけてしまったよ…!
皆さんこんにちは。おぴまろです。
今回はですね、みんな大好きサメ映画を紹介しようと思うのですが、その前に皆さん!ゾンビ映画や、今回紹介するサメ映画のような、いわゆる“ホラー・パニック映画”に必要不可欠な存在は何かわかりますでしょうか?
ゾンビ映画ならゾンビ、サメ映画ならサメの完成度は当たり前のこと、他にも重要な役割を担う存在がいます。それは、“脇役”の存在です。

え、主人公やヒロインの間違いだろ、と?
否!!そんなことはありません!
たしかに、生き延びるために様々な方法で抗う主人公やヒロインの演出は大事です。しかしながら、「主人公」、「ヒロイン」という肩書きがある以上、序盤や中盤じゃ絶対に死なないですよね?もし、ホラー映画やパニック映画に主人公とヒロインしかいなかったとしたらどうなるでしょう。何度かピンチはあるものの、彼らは決して敵の脅威に負けることはないままその映画は幕を下ろすのです。そのような映画は、正直言って残念な仕上がりになってしまうことの方が多いです。そんな中、敵の脅威や恐ろしさを醸し出すための“エサ”となってくれるのが脇役の存在なのです!
いわば、主人公やヒロインを目立たせるための“かませ犬的存在”がいてくれることによって、観る人に緊張感と恐怖感を与えてくれる良作となるのです。
さて、前置きが長くなってしまい申し訳ありません。なぜこんなことを長々と述べたかと言いますと、今回紹介するサメ映画『パニック・マーケット』がとても良作であったからです。なぜなら、先に述べた“かませ犬”の条件が全て揃っているのです!

あ、違った。サメ映画だから“かませ鮫(ザメ)”ですね。あ、いやなんでもないです…。

というわけで、本作は地震により起きた津波に飲み込まれた一軒のマーケットが舞台です。それによりなんと、マーケット内に巨大なサメが侵入!主人公たちは無事に脱出することができるのか?! 彼らはは協力し知恵と工夫で試みます!

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…その格好やめい!


そんな、『パニック・マーケット』の感想です。

『パニック・マーケット』のあらすじ

※DVD版は3Dではありません。

突如起こった大洪水。一軒のスーパーマーケットに、13人の生存者たちが取り残されていた。浸水した店内には高圧電線が垂れ下がり、水中からどう猛な人食いザメが襲い掛かるなど、絶体絶命の状況に追い込まれていた。しかも13人の中に強盗犯、殺人犯が紛れ込んでいることが判明し、地獄のような店内から彼らは命懸けで脱出を図るが……。

脇役のポジションが揃っていて完璧な作品

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さてさて、前置き長くしてまで熱弁した“かませ鮫”の存在ですが、『パニック・マーケット』はそれらが非常にしっかりしているのです。
ビーチのライフガードを務めていた主人公ジョシュは、交際しているヒロインの兄であり親友でもあるローリーをサメの被害により亡くしてしまいます。時は経ち、彼はライフガードを辞め、あるスーパーマーケットで働きますが、大地震津波、そしてふたたびサメの脅威が迫ろうとしています。
そんな中、ジョシュ以外にもさまざまな人間模様を持った色濃い人々がマーケットに集結するのですが、彼らはパニック映画を引き立たせる“かませ鮫”となるのです。ここで、脇役を含む本作に登場する重要な存在を箇条書きで紹介していきます。

・兄を失い、主人公と別れてしまったヒロイン

・ヒロインにできた新たな恋人

・マーケットに押し入ろうとする強盗その1

・マーケットに押し入るように命令されている強盗その2

・とにかくビビりで自分だけが助かりたそうにするマーケットの店長

・万引がバレた気の強そうな女性

・万引き犯の恋人でもあるマーケットの店員

・通報を受け、マーケットに来た万引き犯の父親である警官(娘とは仲違い中)

・マーケットの地下駐車場でイチャつくバカっぽいカップ

カップルの犬

…いや揃い過ぎだろ!

パニック映画やホラー映画をよく観る方はうすうす気づくかも知れませんが、本作にはいわゆる“死亡フラグ”が成立してしまいそうなポジションの人物や、脇役だけど目立ちそうなストーリーを抱えた人物がうじゃうじゃいるのです。というより、いすぎです。上記の中の何項目かを満たした人物がいる映画は多々見かけましたが、ここまで揃っていると主人公顔負けの主張の強さですよね。
ヒロインの新しい彼氏は、実質恋人である主人公がいるせいで死にそうだし、仲違いしてる警官の父親と万引き犯の娘は助け合いで家族愛芽生えそうだし、バカっぽいカップルはもはやおきまりのパターンだし…。彼らがこれからどうなるのかある程度決まった想像をしてしまいますね。

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そして犬!犬ですよ!

一見犬はいらないように見えますが、サメ映画では必要です。
なぜなら、「え、絶対サメのエサだよね?」と、ハナから諦められてしまう存在だからです。
しかし、既に溢れんばかりの濃いキャラが勢ぞろいしているというのに、わざわざ犬を登場させるというのが興味深く、ペットである犬がどういった扱いを受けてしまうのかハラハラしてしまうので絶対必要なのです!

サメの登場回数も多くて飽きない

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このように、サメ映画でありながらさまざまな人々の人間模様も映し出している『パニック・マーケット』ですが、それに加えサメも負けていません。
近年では、かつて人気になったあの“元祖サメ映画”の影響で多くのサメ映画が世に放たれていますが、正直言ってほとんど低予算が目立つ作品となっています。サメが人形感丸出しだったり、サメ映画なのに全然サメ出てこなかったりと、多くの人ががっかりしたことでしょう。
しかしながら本作は冒頭からサメ本体がしっかり登場し、その完成度も高く、登場回数も多いです。人間がサメに喰われるシーンはなんともおぞましく、常に緊張感や臨場感があり見応えのある作品に仕上がっております。

良かった点/悪かった点

良かった点は、配役の多さと、サメの完成度の高さ、そして大掛かりなセットです。上記でも述べたように、主人公やヒロインのみならず、脇役になりうる人物もそれぞれストーリーを持っており、全ての人に感情移入しやすいものとなっております。それでありながら、人物にかたよりすぎずサメの存在も十分に引き立っており、常に退屈しない作品に仕上がっています。そして、津波により浸水したマーケットも安っぽいセットのような感じがしなく、リアリティがありました。

悪かった点は、正直無いと言いたいくらい完成度の高い作品でしたが、強いて言うならヒロインがあまり目立っていない点です。冒頭にて兄を失ってしまい、悲劇のヒロインという立場での掴みは良かったのですが、その後マーケットではあまり行動的ではありません。更には、周りの人物の方が濃いキャラなので、ほとんど目立たない存在となってしまっているのが残念でした。

まとめ

・主人公だけでなく周りの人物も目立っていて退屈しない作品!

・それでいてサメの完成度も高い!

・ヒロインがあまり目立たず残念…。

評価:90点(100点満点中)

久しぶりに見応えのあるサメ映画に出会えて満足でした!