おぴまろはまーたB級映画に騙されたんかい!

おぴまろはまーたB級映画に騙されたんかい!

B級映画を中心にお語り申すブログ。

映画『エンド・オブ・トンネル』感想、ネタバレあり ラストの伏線回収が鳥肌もの!!

f:id:opimaro:20190106211600j:plain

【製作国】アルゼンチン・スペイン合作 【製作年】2016年 
【上映時間】120分 【監督】ロドリゴ・グランデ
【キャスト】
レオナルド・スバラーリャ
クララ・ラゴ
パブロ・エチャリ
フェデリコ・ルッピ
ワルテル・ドナード
ハビエル・ゴディーノ    ほか

エンド・オブ・トンネル

みなさんこんにちは、おぴまろです。
突然ですが、みなさんは鳥肌が立ったことはありますか?
怖い体験をした時、感動した時など、さまざまな場面で鳥肌は立つものですが、私も何度か鳥肌が立ったことがあります。そして、今回紹介する映画で、

久しぶりに大鳥肌(おおとりはだ)立ちました。
というわけで、今回紹介するのは、『エンド・オブ・トンネル』。

おぴまろはまーたB級ホラーかい?

と突っ込まれがちなタイトルですが、実は違います。
本作のジャンルは、いわゆるミステリー系統のジャンルに区分されます。何気なしに鑑賞していたおぴまろですが、

この映画は凄まじい!

観終わったあとには、鳥肌が止まらず、とても完成度の高い作品だと知ることになりました。あー早く伝えたい!しかしながら、この作品の良さを語るには、少々のネタバレが必要なのです。あらかじめご了承の上、ご覧ください…!

というわけで、『エンド・オブ・トンネル』の感想です!

※本レビューには多々ネタバレを含みます。それでも良いという方のみ以下ご覧ください。

『エンド・オブ・トンネル』のあらすじ

youtu.be 事故で妻子を失い、自分も車椅子生活を余儀なくされているホアキン(レオナルド・スバラーリャ)は、家の2階部分を娘を抱えるストリッパーのベルタに貸すことに。二人との交流を通して少しずつ明るさを取り戻していく中、地下室でトンネルを掘っているような作業音と話し声を耳にする。やがて、犯罪者たちが銀行に押し入るための地下道を掘り、ベルタたちがその計画に加担させられているのを知る。ホアキンは母娘を救うと共に犯罪者たちが奪った金を横取りしようとするが……。(Yahoo!映画より引用)

犯罪に巻きこまれた不運な主人公…?

f:id:opimaro:20190106223238j:plain

さて、妻と娘をなんらかの事故で失い、自身も車椅子生活となっていた主人公。その孤独な生活は、ある母娘の登場から一変します。
車椅子生活を余儀なくされ、徐々にお金もなくなってきた主人公。食いぶちのため、自身の家の2階を貸し出します。そこに現れたのはストリッパーとその娘。最初は内向的だった主人公も彼女らと同居することで徐々に明るさを取り戻します。
そんな中、主人公がいつものように地下室で作業をしていると、壁の向こうから何やら不審な物音が!
調べてみると、なんと強盗グループが地中を掘り進め、銀行強盗を企んでいたのだ!
とまあ、このように、一見主人公はその付近に住んでおり、犯罪を知ってしまい巻き込まれてしまう!というストーリーが浮かびますが、全然違います。
最初は驚いた主人公。壁に小さな穴を開け、カメラを仕掛け、様子を探ります。これから主人公は強盗の企みを阻止するのか?!…と、思いきや、

むしろ気持ちいいぐらい便乗します。

なんと、主人公は強盗グループが盗み出そうとしてる金を横取りしてやろうと企むのです。この時点でだいぶひねくれた作品に仕上がっているのですが、本作はそんなところが気にならないくらい伏線がすごい作品なのです。

序盤から張り巡らされたいくつかの伏線

最初にも述べたように、本作には張り巡らされたいくつかの伏線とその回収がとても良く出来た作品です。その伏線を簡単に箇条書き。

・冒頭で、犬に与えようとして棚にしまった安楽死の薬入りのクッキー

・中盤あたりでストリッパーの娘が強盗グループのひとりから盗んできた時計

・強盗グループの計画を知ろうと設置したカメラから得た情報

・ラストの衝撃な伏線?(重要なため後述)

f:id:opimaro:20190106224456j:plain

おぴまろが本作の感想のテーマを“伏線”にしたいがために、いくつか無理矢理なものも含まれておりますが、これらが大まかな伏線。
冒頭のクッキー、盗んだ時計は終盤にとても重要となってくる品物です。カメラから得た強盗グループの名前や、彼らの何気ない会話も、最初は気にせず観ていましたがラストで必要なものです。
このように、本作は冒頭から伏線をいくつか張っております。序盤は、「このくだり、いるか?」と思っていましたが、終盤でしっかりと回収してくれます。そのため、最後まで飽きずに観ることができます。

ラストシーンの最大の伏線回収に大鳥肌

さてさて、私が本作で語りたかった一番のシーンは中盤に張られたストリッパーの娘ベティの「ある伏線」とその回収です。私はこれを目の当たりにし、

え。うぇあぇぇ?!と、声が出ました。(実話)

しかしながら、この伏線回収は他のものと違い、明確に語られておらず、私の勘違いという可能性もあるので、あくまで意見と考察としてご覧ください。

※注意!下記より盛大なネタバレを含みます。ご了承の上お進みください!

f:id:opimaro:20190106223340j:plain


 

 

 

ーーーーーーーーーーーーネタバレゾーンーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

 

 

私が気になったのはいくつかのシーン。
その前に、いくつか前提を提示しておきます。
まず、ストリッパーの正体は強盗グループのリーダーの彼女であったこと、そして彼女の娘のベティは2年ほど前から言葉を発せない状態になっていたことです。これは明確ではありませんが、何かしらショックな出来事があったように語られています。ある日、主人公はベティが彼の犬に向かって何かを語りかけている姿を目撃します。
後日犬の首輪にマイクを仕掛け、娘が何を言っていたのか調べようとします。
彼女は、

ママの彼氏とゲームをするの。いろいろやらされる。でもママには秘密なの。教えたらヤキモチをやくって。男の子と女の子の遊びなんだよ。

これは、何者かが明らかに、ベティに対して“いかがわしい行為”をしていたことが分かります。そして、その何者かは明白で、強盗グループのリーダーにしてストリッパーの彼氏です。これを聞いたストリッパーは彼に対し激しい怒りを露わにします。

この時は誰もがそう思いますよね…?

さて、本作のラスト。主人公の家に押し入った強盗グループとの一悶着の末、彼らはさまざまな伏線回収の餌食となり、仲間割れの末全滅します。そして、生き残った主人公とストリッパー、その娘ベティ。ラストシーンで家を空け、共に新たな生活をしていこうというほほえましいシーンです。

そのはずなんです…。
しかし、よくよく見ると知りたくなかった恐ろしい事実が…。
ラストにふさわしいミュージックとともに、なにやら心臓の鼓動音と共に主人公とベティが手を繋ぎ、本作は終了します。
このシーン、違和感ないですか?

何言ってんねん!ひねくれてるのか!

と思うかも知れません。しかし、物語の中盤で起きたある異変を見て、このラストがキレイなものと、そう言えるでしょうか?
中盤、深夜になぜかベティが下着姿のような格好で、裸で寝ている主人公の元にフラフラと登場します。彼女は、主人公の周りをウロウロしてから立ち去ります。主人公は去りゆく彼女を意味深に眺めてシーンは終わります。初めてこれを見たときは何も気になりませんでした。しかし、これって…。もうお分かりですよね?
実は、ベティに手を出していたのは…。

怖すぎる!鳥肌立つわ!

実際にこれが真実なのかは、語られていないので不明です。
しかしながら、中盤のこのシーン以外でも不審な点はいくつかあります。
まず、ベティが何かを犬に語っていたからといってマイクをしかける主人公の不審さ。彼もこのような事を言っているとは思っていなかったとはいえ、強盗グループのリーダーのせいにし、ストリッパーから彼を引き裂くネタに出来る事は明白です。何より、自分がベティに手を出したことも隠せて一石二鳥です。
そして、ベティに歩み寄った主人公に対しての彼女の冷めた態度。これは、“何かがあった”証なのではないでしょうか…?

本作はある意味伏線の多さがテーマとなっており、ラストでほとんどが回収されます。しかし、真の伏線はもっと闇が深いものだったのではないでしょうか?
私にはそう思えてなりません。

良かった点/悪かった点

良かった点は、有無を言わさない伏線の多さと、その美しいまでの回収です。前半では主人公が強盗グループの計画に便乗しようというぶっ飛んだ発想で楽しめ、後半では冒頭から張り巡らされた伏線をキレイに回収していったので飽きずに観ることが出来る作品です。

悪かった点は、主人公に起きた事故の背景が薄いのと、ヒロインがストリッパーという設定が特にいらない点です。主人公はなんらかの事故で妻と娘を失って自身も車椅子になっておりますが、その実態が一切語られていなかったため、感情移入ができませんでした。伏線が多いため無駄を省いたためなのかは不明ですが、少しでも事故の原因等があれば、主人公の気持ちが分かったかもしれません。ストリッパーという設定は、主人公の誕生日会で踊った以外に出てこないため、特にいりません。

まとめ

・伏線回収がすばらしい作品!

・主人公とヒロインの設定が薄い!

・ラストの最大の伏線は鳥肌!

評価:90点(100点満点中)

果たして、ラストはハッピーエンド、なのでしょうか…?