おぴまろはまーたB級映画に騙されたんかい!

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映画「クズ・ゾンビ」感想 葛(クズ)って一体何ぞや?!

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【製作国】アメリカ 【製作年】2017年 【上映時間】83分
【監督】マーク・ニュートン
【キャスト】
ケイトリン・メッシュ
マイルズ・ドリアック
マイケル・エメリー
ティモシー・ハウ
マイケル・ジョイナー ほか

クズゾンビ

侮る葛に倒さる(あなずるかづらにたおさる)、ということわざがある。
「相手を侮っていると痛い目を見る」という意味であるが、これは葛(くず)という植物からきており、葛のような植物でもいつのまにか大木を覆って全体を枯らすことからきている。

…いきなり何?!
こんにちは、ゾンビ映画大好きおぴまろです。
今となってはさまざまなゾンビ映画が世に出ていますよね。ゾンビ映画好きとしてはありがたいことであり、色々なジャンルのゾンビ映画が垣間見れて嬉しい限りです。
そして冒頭でなんでいきなり葛なのかという感じですが、今回は葛(クズ)がテーマのゾンビ映画「クズゾンビ」。ゾンビモノって感染源がありますよね?それが今回は植物というわけです。正確には繁殖力の強い葛(クズ)という植物を根絶するために開発した新薬を散布したせいで突然変異を起こしてしまい、それを摂取したヤギなどの動物を経由し、人々をゾンビに変えてしまうというお話です。
冒頭で挙げたことわざの様に、人間は葛という植物を侮ってしまい、ゾンビという生物を誕生させてしまったという事ですね。

そんな映画「クズゾンビ」ですが、私は新しい発想に期待と胸を躍らせていたのですが、見終わった後には自身が、ある意味痛い目を見てしまったのかもしれません。

というわけで、映画「クズゾンビ」の感想、レビューです。

あらすじ

youtu.be

飼料用作物としてアメリカ南部に持ち込まれた外来種の葛(クズ)は、その繁殖力の強さから急速にアメリカ全土に広がっていった。それを駆除すべく、バイオ研究所「グローボ・バイオテク」は新薬クアドキシンを開発、その散布実験をひそかに開始した。しかし、クアドキシンには恐るべき副作用が隠されていた。それはクズの寄生力を増幅させ、人間の体内で繁殖できる変異種を発生させてしまったのだ……。くしくもクアドキシンの散布実験が行われた山林からほど近いエリアでは、夏フェスが開催されていた。薬剤散布の飛行パイロットのロニーもこの日は叔父のミートパイ屋台を手伝っている。と、突如そこに乱入してきたクズに寄生されたゾンビたち。逃げ場もないまま見境なく襲われる観客たちも、つぎつぎ植物ゾンビと化していった。かろうじて生き残ったロニーたちは何とかフェス会場を脱出、武器を求めて町の中心部へと移動するも、そのころにはすでに町全体が地獄絵図と化していた。いちかばちか、武装したロニーら一団は「グローボ・バイオテク」研究所のある飛行場を目指すが……。

植物×ゾンビの脅威

さて、本作は葛という植物がテーマのゾンビ映画な訳です。「クズゾンビ」と聞いて、「え、ゾンビがしょーもないクズってこと?」と思っていた私ですが、葛っていう植物が存在するのですね。そもそも葛は、飼料にしたり土壌侵食を防ぐために用いられている植物らしいのですが、作中では異常繁殖してしまった葛を、新薬を用いて根絶するという計画が実行されるのです。
しかし、その新薬が葛に突然変異を起こしてしまい…。あとはゾンビ映画でよくあるパターンな訳です。

…クズこえーな!!

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※画像は葛(くず)の葉。本作はこれにより感染します。

とはいえクズがあまり仕事しない

植物が突然変異してしまったことによって人々をゾンビと変えていくという流れが本作なんですが、フタを開けてみるとあんまり葛が目立ってないような…。
冒頭で若者3人が良からぬ薬を吸いたくて売人の家に押しかけるのですが、売人は既に感染しており、彼らに襲いかかります。いわゆる第1感染ゾンビですが、 彼の外見は普通のゾンビです。

いや、普通のゾンビでいいじゃない!って言いたいですが、今回のテーマは植物ですよ?顔中ツルで覆われてるとか、草生えてるとかあるじゃない!
この時点であまり葛が目立ってないんです。しかし、もしかしたら見落としてるだけかもしれないと思い、一時停止してよく見てみたんです。

頭にキノコが生えてたよ。(画像なし)

なんじゃそれ!やってられっかい!
とまあこんな感じで、冒頭からあんまり植物という概念が感じられなかったんですが、話が進むにつれてもあまり葛は目立った印象がありません。
地元の祭りに乱入した第1感染ゾンビによって芋づる式に感染していくのですが、彼らも普通のゾンビ。途中撃たれたゾンビが地面に這いつくばって、身体中からツルのようなものを出すんですけど、これが武器になるとか、変異するとかもなく少し残念な仕上がりになっていました。

他にもツッコミどころが満載

葛というあまり目立たない植物をゾンビと絡ませるという斬新な発想もむなしく、少し残念な感じになってしまいましたが、他にもツッコミどころがあったので箇条書き。

・パッケージの登場人物の組み合わせがおかしい

これは盛大な出オチです。パッケージをみると、主人公らしき男女が肩を組んでセンターを飾っています。このふたりは主人公とヒロインで、恋人関係なのかなと思いますよね。これがまったくちがいます!主人公は別の女性に好意を寄せており、その女性が実質のヒロインです。そしてパッケージの女性は同性愛者という設定で、別の女性と交際している脇役です。むしろその相手の方が活躍しています。どうしてこうなった…。

・登場人物がいきなり銃火器を使いこなしている

これはまあグレーなのかなとも思いましたがツッコむ。主人公とその取り巻きは平凡な若者たちですし、ゾンビを見てものすごいテンパってます。しかし、いきなりその環境に適応したのか、どっかの車から見つけてきたマシンガンレベルの銃火器やらナタやらを使いこなしています。途中で派遣された軍も出動しましたが、そいつらよりすごいんじゃ…。

・ヒロインが目立たない

最初に挙げた、パッケージの組み合わせにも関わってるのかなというのがこれ。主人公が好意を寄せるヒロインが微妙なんです。こう言ったら失礼ですが、外見もあまりパッとしないですし作中ゾンビに立ち向かうわけでもないので、より一層脇役感が否めません。

良かった点/悪かった点

良かった点は、ゾンビがなかなか迫力がありました。メイクもそこそこしっかりしており所々緊張感もあって良かったです。

悪かった点は、ゾンビがしっかりしているだけに、もう少し葛を絡ませてほしかったですね。「クズゾンビ」なわけですから、植物の触手が襲いかかるとか、メイクで植物に支配された感じを出すとか出番を与えて欲しかった印象です。あと血しぶきとか爆発シーンのCG感が否めないところもマイナス点ですね…。

上記で挙げたツッコミどころはポジティブに面白かった点とします!(投げやり)

まとめ

・ゾンビのメイクがなかなかいい!

・最近の若者は強い

・葛があまり関係ない

評価:40点(100点満点中) 葛×ゾンビという設定が面白いだけに、内容が少し物足りない印象がありました!